緊急経済対策は国民の命と生活を守り抜けるか

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経済
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本日も、日経平均株価は堅調でした。昨日、NYダウが引けにかけて安かったため、どれくらい影響があるかと思いましたが、日本株のほうが強かったようです。

さて、4月7日に政府は、新型コロナウイルスに関する経済対策を打ち出しました。今日は、その中でも話題である「30万円の現金給付」について感じたことを書いていきます。

結論としては、財務省に、まんまと上手く丸め込まれたなと言う感じがします。やっぱり、頭がいい人たちは違いますね。

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30万円の現金給付とは

今回のコロナウイルスの影響で収入が大幅に減った世帯で、条件に当てはまる方は1世帯あたり30万円の現金給付を受けることができるというものです。

条件については、わかりにくく、各メディアでも解説しているためここでは説明を省きます。

日頃からお金に興味がある私でも、とにかくわかりにくいと感じる条件でした。

こういった国の財政に関わることは財務省が関わっていると思いますが、敢えてわかりにくくしているのではと感じてしまいます

そして、今回の現金給付に関する問題点が3つあります。

現金給付の問題点

自己申告制である

今回、30万円をもらうには「私、コロナウイルスの影響で収入減りました!」と自己申告しなければなりません。政府は、自己申告制にした理由を生活に困窮している方々に、迅速に支援するためと言っています。

たしかに、行政側が対象者を絞り、その対象者に案内し給付申請をしてもらうという手続きには時間がかかるため、自己申告にすることによって迅速に支援はできます。

しかし、自己申告制ということは、行政側が対象者を絞ることができないため、周知漏れがでやすいといったリスクがあります。

通常の給付金であれば、行政(自治体)が対象者を判別し、手紙を送るなどして対象者の行動をうながすことができますが、今回は自治体側では対象者が誰なのかわからないため、対象者にお知らせしていなかったということが起きやすい状況になっています。

今回のコロナウイルスによって大きく収入が減っている人が、情報を収集し給付金の申請のため自治体の窓口に来れるかというと、そこまでの余裕がない人も多いと思います。

所得制限によって多くの人はもらえない

政府が出した給付の条件はかなりシビアといって良いものです。おそらく、在宅ワークや出社時間をずらすといった対応をしてもらえる会社に努めている方は給付の対象外となるでしょう。

以前にも記事にしましたが、日本全体で景気が悪くなり、それなりに収入がある人であってもボーナスの減少などで生活は困窮します。

しかし、そういった方への給付はないため経済対策としてはあまり効果的でないと感じます。

収入が大きく下げた人に情報は届くか

上でも書きましたが、今回のコロナウイルスで収入が大きく下がった人の中には時間的、精神的に余裕がなくなってしまった人もいらっしゃると思います。

そういった方が「現金給付があることを知り」、「自分が対象者であることを判断し」、「必要書類を揃え」、「平日、自治体の窓口に行く」ことは簡単にはできません

この制度を自治体が周知するに当たって、ホームページや市報などを使うと思いますが、そもそも自治体のホームページは普通の人は見てません。市報についても全戸に行き渡っているかというと、自治体によってバラバラですし、届いたとしてもゆっくり市報を読む人はあまり多くありません。

内閣府は、周知をなるべくすると言っていますが、実際に行うのは各自治体であるため、困っている人にどこまで周知できるのかは定かではありません

財務省は何を考えているのか

このような問題点があるにもかかわらず、財務省はなぜこの制度にGOサインを出したのでしょうか。理由は2つあると思います。

なるべく給付額を減らし予算を余らせたい

国が現金を配るには、まず「これぐらいの金額が必要になる」といったものを計算します。これが予算です。そして、この予算分のお金を国債を発行して集めます。

今回、給付金を受け取る人が少なくなれば、予算が余ります。予算が余るということは国債をそこまで発行しなくて良いため、日本の借金をあまり増やさなくても良くなります。

財務省は、財政健全化を推し進めており、国の借金はなるべく増やしたくないため、給付金を受け取る人が少ないことは自分たちに都合が良いということになります。

現金給付は意味がないという実績を作りたい

財務省が考えていることは、こちらが本筋だと思います。

今回、生活困窮者へ30万円という多額の給付金の制度を作り、リーマンショック時よりも手厚くしました。それにも関わらず、予算が余るということは「現金給付は本来必要ではなかったし経済対策として有効ではなかった」ということになります。

財務省としては、予算を余らせることによって、今後コロナショックのような大きな出来事があったとしても財政出動をなるべく抑えたいという思惑があるように感じます。

具体的には、何々ショックがあっても財務省は「コロナショックの時、30万円の現金給付をしても予算が余るくらい困っている人は少なかったんだから、今回は現金給付を辞めましょう」と言えるのです。

まとめ

今回も、財務省に上手くやられたなという感じでした。財務省としては現金給付を今回はやることによって、次回以降の現金給付をやらないようにする戦略をとっているように感じます。

はっきり言って、頭がいい人が考えることはとても怖いです。

安倍政権になり、内閣人事局が設置され、各省庁は内閣の方を向いて仕事をするようになった一方で、財務省は未だに省益を最優先にしていることには恐れ入りました。

今後も、政府の動きは注視しつつ、情報収集に励む必要があると感じます。

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